今回は英会話の難易度と会話の参加人数について考えてみます。
まず、次の質問について考えてみてください。
「1対1で話す場合」と「3人以上のグループの中で会話に参加する場合」とでは
どちらが英会話の難易度が高いでしょうか。
もちろん、グループのメンバー構成や
あなたが置かれた状況によってこの質問の答えは変わるかもしれません。
要するに、
It depends.
ということですね。
しかし、グループの中であなただけが非ネイティブ・スピーカーの場合は
グループでの会話のやり取りの方がはるかに難しいと言えます。
では、「グループでの会話」として考えられるシーンには
具体的にはどんなものがあるでしょうか?
例えば、
仕事では、商談・ミーティングやレセプション
プライベートでは、レストランでの食事やパーティ
などが挙げられるでしょう。
言うまでもありませんが、これらの場面は
レッスン生が大多数を占める
英会話のグループレッスンなどとは
全く次元が異なるものです。
では「グループでの会話」となると
難易度がアップするのはなぜでしょうか?
次の2つのことが考えられます。
まず第1に、
一般的に、3人以上で会話をしている時には、
あなたが話題の当人であったり、質問されていたりなど
どうしても会話の内容を理解しなければならない特別なポジションにない限り、
話者は自分の話を理解してくれる人に向けて話をするものです。
したがって、あなたがどんなに会話に積極的に参加しようとしたところで、
残念ながら会話に取り残されてしまう可能性は大きいと言えるでしょう。
でも、これはある意味仕方のないことです。
逆の立場になれば分かります。
日本人のあなたが、別の日本人と片言の日本語しかしゃべれない外国人
の3人で会話をしていたとします。
あなたがどうしても話したい話題があり、
しかもそれが多少込み入った話の場合、
どんな話し方になるでしょうか。
おそらくあなたは、
特にその外国人に分かってもらう必要がある場合を除いて、
もう一人の日本人に向かって話をするのではないでしょうか。
ゆっくり時間をかけても自分の話を理解してくれるかどうか分からない相手に対して
何かと神経を使って話をするよりも、
普通にコミュニケーションができる相手と普通に話したほうが、
会話をエンジョイできて、なおかつ、楽なはずだからです。
第2のポイントは、もっと深刻な問題です。
3人以上での会話となった場合には、
会話の内容があなたにとってなじみのない話題となる
可能性が大きいということです。
私が海外で生活してみて実際に感じたことですが、
非ネイティブ・スピーカーである私にとって
英語での会話を著しく困難にさせた要因は、
英語能力のなさや経験の少なさもさることながら
現地(私の場合はイギリス)のネイティブ・スピーカーが
無意識に共有しているような情報を持ち合わせていない、
ということがあります(いわゆる情報の格差)。
私の体験談で考えてみましょう。
ある日、イギリス人3人と4人で夕食を囲んだ時のことです。
会話の流れからそれぞれの教育のバックグラウンドの話になりました。
そんな状況では、次のような情報格差が始めから生じている可能性があります。
イギリス(を含むヨーロッパやアメリカなど)では、
大学に進学する際の内申点として
Community Service(いわゆるボランティア活動のこと)が
必須であることをご存知でしょうか。
最近では、日本の学校でも
そのような制度が導入され始めているようですが、
少なくとも20年位前に教育を受けた私にとっては、
そのような考え方はなじみの薄いものでした。
また、イギリスでは、大学進学のために
GCSE:General Certificate of Secondary Education
と呼ばれる成績証明書が必要で、
この成績書の交付を受けるために
A-Levels Test
と呼ばれる試験を受けなければなりません。
こういった話題(特にA-Levels Test)は、
外国人には分かりにくい「内輪ネタ」なのですが、
実はイギリス人同士の間では、
毎年BBCのニュースで取り上げられるくらい日常的な話題なのです。
これを日本固有の話題に例えるならば「センター試験」のようなものでしょう。
(現在は、廃止の方向で検討されているようですが、、、)
どんなに流暢な日本語を話す外国人でも、
センター試験の満点が800点で毎年1月中旬に行われる云々・・・
などということを知っている人は極めて少ないと思います。
そんな外国人が、
日本人同士の日本語によるセンター試験の会話
について行くことは決して簡単なことではないはずです。
このように
いわば「アウェイ」の中で英会話について行く、
というのは並大抵のことではありません。
でも
ネイティブ・スピーカーの会話に参加する
ということは、そういうことなのです!!
それでは、
このような困難な状況に対して
どのように対処していったらよいのでしょうか。
話が少々長くなりましたので、今日はこの辺で終わりにします。
次回の投稿で、グループに入って英会話する場合の対応方法
について考えてみたいと思います。
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