今回取り上げるのは、2017年2月23日付け6 Minute English「The alternative armed police(もう一つの武装警察)」で、なんと日本の警察の逮捕術がテーマです。
※著作権の関係上、音声とスクリプトは下記のBBCのサイトから入手してください。
http://www.bbc.co.uk/learningenglish/english/features/6-minute-english/ep-170223
日本の警察官は銃を装備しているがめったに使用することはなく、武術を駆使しながら時には布団で犯人を封じ込める・・・そんな冗談みたいな話を、プレゼンターのニールとダンがジャーナリストの証言を交えながら解説します。
一方で、対照的に警察官を武装させたアメリカでの警察と犯人の間での武装合戦を心配する声を紹介し、平和な社会とは何かについて問いかけます。
それでは、解説のはじまりです。頑張っていきましょう! Let's try!!
■目次
1. 聞き取りが難しい個所はココだ!
2. 文法・構文解説
3. フレーズ解説
4. 発展課題
1. 聞き取りが難しい個所はココだ!
“I’m going to guess b) Iceland, just because I’ve never been there.”(僕は選択肢Bのアイスランドだと思う。行ったことがないというだけの理由なんだけど。)(スクリプトp.1下段、0’53”あたり)
スクリプトではI’m going toと書かれているが、音声では「アイガナ」と発音されている。似たパターンでI want toは「アイウォナ」と発音される。“Instead they rely on a combination of martial arts and ...”(その代わりに彼らは武術の組み合わせに頼り、そして・・・)(スクリプトp.2上段、1’20”あたり)
「ゼイ リライ オン ア コンビネーション」ではなく「ゼrエラオナコンビネーション」と聞こえる。日本人にとって難しいRとLの発音を超高速で発音しなければならない今回の一番の難所のひとつ。練習しなければいつまでたっても口にも耳にも定着しない。いやというほど練習しておこう。“What most Japanese police will do is to get huge futons and essentially roll up the person who is being violent or drunk into a little burrito and carry them back to the station ...”(たいていの日本人警察官がするのは、巨大なフトンを取ってきて、暴力を振るっていたり酔っぱらっている人をほとんどぐるぐる巻いて小さなブリトー(のような状態)にしてから、警察署に連れ戻すということです…)(スクリプトp.2中段、1’38”あたり)
冒頭のwhatは「ホワット」ではなく「ウェ」と聞こえる。What XXX do[does] is...が定型表現で、音声ではdoとisの間に一拍おいているので、この謎の「ウェ」の正体がwhatだということが分かる。このことが半自動的に頭に入ってくるまで何度も聞き返してみる。そうすると不思議なことに「ウェ」が「ウェット」くらいに聞こえるような気がしてくる。“If you restrain someone, you prevent them from moving.”(もし誰かをrestrainするなら、つまりそれはその人を動かないようにするということです)(スクリプトp.4上段、4’38”あたり)
「プリベント ゼム」ではなく「プリヴェントゥェム」と聞こえる。子音t+themはこのように"th"の音が脱落(リダクション)することを耳と口に覚えさせて体に染み込ませたい。“Well, in the 1960s the Cuban missile crises escalated over a period of two weeks and de-escalated only after diplomatic negotiations were successful. But it was pretty close to World War 3 at one point.”(そうだね、1960年代にキューバ・ミサイル危機が2週間でエスカレートしたけど、外交交渉がうまくいってやっと収束に向かったね。でも、一時期は本当に第3次世界大戦になりそうだったよ。)(スクリプトp.4中段、5’04”あたり)
missileは「ミサイル」ではなく「ミシル」。このように日本語と英語で発音が似ているものは要注意。at one pointは「アット ワン ポイント」ではなく「アワンポイ」に聞こえので、そのように真似して繰り返し発音してみる。
2. 文法・構文解説
今回の文法・構文解説は小粒ですが3つおさらいしておきましょう。
@get something done
”Can we get this done quickly today Neil?”(ニール、今日はこれを早く終わらせられるかな?)(スクリプトp.1上段、0’23”あたり)
get something doneで「○○を〜させる、〜してもらう」という意味になる。同様の意味でhave something doneという表現があるが、get something doneの方がくだけた感じである。Ato不定詞の省略
“The American model has been militarise the police, but the challenge I have is that there is very little evidence that a more militarised police results in a more peaceful society.”(アメリカ方式は警察を武装させるということであったが、私が抱く疑問は警察が武装すればするほど社会が平和になるという証拠がほとんどないということである)(スクリプトp.3上段、2’41”あたり)
militariseの前にtoが省略されている。同じように省略されるパターンで「the way is to ...」がある。e.g. The best way to learn a foreign language is (to) find a foreign lover.
(外国語を学ぶ最良の方法は外国の恋人を見つけることである)
Botherwiseと仮定法
“I have to restrain my children all the time, Dan, otherwise they would fight like mad.”(僕はずっと子供たちを抑えておかなければならないんだ、ダン。じゃないと彼らは狂ったようにケンカするからね)(スクリプトp.4上段、4’47”あたり)
otherwiseは前の文章の内容を受けて「さもなければ」という意味の副詞。現実と反対のことを言っているのでwouldなどの仮定法が用いられる場合がある。3. フレーズ解説
実際の場面で使えそうなお役立ちフレーズを5つピックアップしました。
“You’re pulling my leg.”(冗談でしょ)(スクリプトp.2上段、1’33”あたり)
「日本の警官は凶暴な犯罪者に対して発砲せずに武術で対抗するどころか、フトンを使って犯人をぐるぐる巻きにして身動きを獲れないようにするのだ」というダンに対し、ニールとしてはにわかには信じられずに本気にしていない様子。pull one’s legは「脚を引っ張る」が転じて「からかう、冗談を言う」という意味。You’re kidding me.と同じ。ニールの言い方が「そんな訳ねーだろ」と鼻で笑っている感じも合わせて確認して真似しておこう。“Wow, that makes my head hurt!”(おーっと、それは頭が痛くなるな!)(スクリプトp.2下段、2’23”あたり)
「警察が銃を持たないから犯人が銃を持たないのか、それとも、犯人が銃を持たないから警察が銃を持たないのか」という鶏が先か卵が先かのようなややこしいニールの質問に対して、ダンが頭が混乱している時に出たフレーズ。こちらもダンがどんな感情をこめて言っているか確認してみよう。“by all means”(もちろん)(スクリプトp.4上段、4’35”あたり)
誰かが質問したり話したりしようとしている時に「いいですよ」」と許可を与える表現の一例として挙げられている。ほかに、”Fire away.”, “Of course.”, “Go ahead.”などがある。“...when I was a student in the United Kingdom some of the foreign students had to go home to take part in national service - that’s join the army for a couple of years - so they became militarised.”(僕がイギリスで学生だったとき、外国人の学生の中には2〜3年間ショナル・サービスへ参加するため――つまり、軍隊に加わるために帰国しなければならない人がいたんだ――ということで彼らは武装したんだね)(スクリプトp.4中段、5’24”あたり)
“that is, ...”というフレーズは、難しい言葉や分かりにくい表現を言い換えて「つまり」「すなわち」という意味で使用されることがある。ここでは口語表現として省略形で登場している。 “Got an example of that, Dan?”(ダン、なにか例はある?)(スクリプトp.4上段、5’43”あたり)
"(Have you) got an example of that?"のHave youが省略されている。4. 発展課題
今回の6 Minute Englishの元ネタとなったと思われる記事を紹介するので読んでみましょう。
タイトル:How Japan has almost eradicated gun crime(日本はいかにして銃犯罪を撲滅してきたか)
URL: http://www.bbc.com/news/magazine-38365729
日本の銃の取り締まりはどれほど厳しいのか。規制のルーツはどこまでさかのぼるのか。さらには、日本人の銃に対する考え方についても、警察の実態や銃の講習会でのエピソードを交えて紹介されています。
銃による死者の各国比較では意外な事実も発覚?!
そして最後には、彼ら(外国人)が大好きなヤクザ(yakuza)にもしっかり触れられています。
BBCの記事は比較的平易な文章で、the guardianなどのような新聞記事とは異なり極端に難しい単語は使われていないので読みやすいと思います。
記事の途中で挿入されている2分半程度のビデオクリップも是非見て下さい。字幕やスクリプトはありませんが、記事の内容とリンクしているので記事を読んでから見ると初心者でも理解度が深まりやすいはずです。
日本に関連する話題だとバックグラウンドを持っている分だけリスニングもしやすいことを体感しましょう。
☆さらに一歩前へ
この記事はBBCのラジオ番組「My Perfect Country」の第10回目(全14回)で取り扱われた内容をもとに作成されたものです。余力があれば、30分程度のこの番組もポッドキャストで聞いてみましょう。(ただし、番組の冒頭にリスナーへの告知などの前振りがあり、本編が始まるのは1’40”くらいからなのでご注意下さい)
タイトル:My Perfect Country - Japan: Gun Control
URL: http://www.bbc.co.uk/programmes/p04ms0dw
今日はここまでです。いかがでしたか。
いつものアドバイスですが、BBCのサイトで公開されている音声ファイルをダウンロードして何度も繰り返し聞き直し、自分でも声に出して発音してみることが大切です。
Practice makes perfect!(習うより慣れろ)
お役に立てれば幸いです。
P.S.1
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P.S.2
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