2017年02月26日

6 Minute English(2017年2月23日付) - リスニングのポイント



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今回取り上げるのは、2017年2月23日付け6 Minute English「The alternative armed police(もう一つの武装警察)」で、なんと日本の警察の逮捕術がテーマです。
※著作権の関係上、音声とスクリプトは下記のBBCのサイトから入手してください。
http://www.bbc.co.uk/learningenglish/english/features/6-minute-english/ep-170223


日本の警察官は銃を装備しているがめったに使用することはなく、武術を駆使しながら時には布団で犯人を封じ込める・・・そんな冗談みたいな話を、プレゼンターニールダンがジャーナリストの証言を交えながら解説します。

一方で、対照的に警察官を武装させたアメリカでの警察と犯人の間での武装合戦を心配する声を紹介し、平和な社会とは何かについて問いかけます。


それでは、解説のはじまりです。頑張っていきましょう! Let's try!!




■目次
1. 聞き取りが難しい個所はココだ!
2. 文法・構文解説
3. フレーズ解説
4. 発展課題




1. 聞き取りが難しい個所はココだ!




I’m going to guess b) Iceland, just because I’ve never been there.”(僕は選択肢Bのアイスランドだと思う。行ったことがないというだけの理由なんだけど。)(スクリプトp.1下段、0’53”あたり)
スクリプトではI’m going toと書かれているが、音声では「アイガナ」と発音されている。似たパターンでI want toは「アイウォナ」と発音される。


“Instead they rely on a combination of martial arts and ...”(その代わりに彼らは武術の組み合わせに頼り、そして・・・)(スクリプトp.2上段、1’20”あたり)
「ゼイ リライ オン ア コンビネーション」ではなく「ゼrエラオナコンビネーション」と聞こえる。日本人にとって難しいRとLの発音を超高速で発音しなければならない今回の一番の難所のひとつ。練習しなければいつまでたっても口にも耳にも定着しない。いやというほど練習しておこう。


What most Japanese police will do is to get huge futons and essentially roll up the person who is being violent or drunk into a little burrito and carry them back to the station ...”(たいていの日本人警察官がするのは、巨大なフトンを取ってきて、暴力を振るっていたり酔っぱらっている人をほとんどぐるぐる巻いて小さなブリトー(のような状態)にしてから、警察署に連れ戻すということです…)(スクリプトp.2中段、1’38”あたり)
冒頭のwhatは「ホワット」ではなく「ウェ」と聞こえる。What XXX do[does] is...が定型表現で、音声ではdoとisの間に一拍おいているので、この謎の「ウェ」の正体がwhatだということが分かる。このことが半自動的に頭に入ってくるまで何度も聞き返してみる。そうすると不思議なことに「ウェ」が「ウェット」くらいに聞こえるような気がしてくる。


“If you restrain someone, you prevent them from moving.”(もし誰かをrestrainするなら、つまりそれはその人を動かないようにするということです)(スクリプトp.4上段、4’38”あたり)
「プリベント ゼム」ではなく「プリヴェントゥェム」と聞こえる。子音t+themはこのように"th"の音が脱落(リダクション)することを耳と口に覚えさせて体に染み込ませたい。


“Well, in the 1960s the Cuban missile crises escalated over a period of two weeks and de-escalated only after diplomatic negotiations were successful. But it was pretty close to World War 3 at one point.”(そうだね、1960年代にキューバ・ミサイル危機が2週間でエスカレートしたけど、外交交渉がうまくいってやっと収束に向かったね。でも、一時期は本当に第3次世界大戦になりそうだったよ。)(スクリプトp.4中段、5’04”あたり)
missileは「ミサイル」ではなく「ミシル」。このように日本語と英語で発音が似ているものは要注意。

at one pointは「アット ワン ポイント」ではなく「アワンポイ」に聞こえので、そのように真似して繰り返し発音してみる




2. 文法・構文解説




今回の文法・構文解説は小粒ですが3つおさらいしておきましょう。


@get something done
”Can we get this done quickly today Neil?”(ニール、今日はこれを早く終わらせられるかな?)(スクリプトp.1上段、0’23”あたり)
get something doneで「○○を〜させる、〜してもらう」という意味になる。同様の意味でhave something doneという表現があるが、get something doneの方がくだけた感じである。


Ato不定詞の省略
“The American model has been militarise the police, but the challenge I have is that there is very little evidence that a more militarised police results in a more peaceful society.”(アメリカ方式は警察を武装させるということであったが、私が抱く疑問は警察が武装すればするほど社会が平和になるという証拠がほとんどないということである)(スクリプトp.3上段、2’41”あたり)
militariseの前にtoが省略されている。同じように省略されるパターンで「the way is to ...」がある。

e.g. The best way to learn a foreign language is (to) find a foreign lover.
(外国語を学ぶ最良の方法は外国の恋人を見つけることである)


Botherwiseと仮定法
“I have to restrain my children all the time, Dan, otherwise they would fight like mad.”(僕はずっと子供たちを抑えておかなければならないんだ、ダン。じゃないと彼らは狂ったようにケンカするからね)(スクリプトp.4上段、4’47”あたり)
otherwiseは前の文章の内容を受けて「さもなければ」という意味の副詞。現実と反対のことを言っているのでwouldなどの仮定法が用いられる場合がある。




3. フレーズ解説




実際の場面で使えそうなお役立ちフレーズを5つピックアップしました。


“You’re pulling my leg.”(冗談でしょ)(スクリプトp.2上段、1’33”あたり)
「日本の警官は凶暴な犯罪者に対して発砲せずに武術で対抗するどころか、フトンを使って犯人をぐるぐる巻きにして身動きを獲れないようにするのだ」というダンに対し、ニールとしてはにわかには信じられずに本気にしていない様子。pull one’s legは「脚を引っ張る」が転じて「からかう、冗談を言う」という意味。You’re kidding me.と同じ。ニールの言い方が「そんな訳ねーだろ」と鼻で笑っている感じも合わせて確認して真似しておこう。


“Wow, that makes my head hurt!”(おーっと、それは頭が痛くなるな!)(スクリプトp.2下段、2’23”あたり)
「警察が銃を持たないから犯人が銃を持たないのか、それとも、犯人が銃を持たないから警察が銃を持たないのか」という鶏が先か卵が先かのようなややこしいニールの質問に対して、ダンが頭が混乱している時に出たフレーズ。こちらもダンがどんな感情をこめて言っているか確認してみよう。


“by all means”(もちろん)(スクリプトp.4上段、4’35”あたり)
誰かが質問したり話したりしようとしている時に「いいですよ」」と許可を与える表現の一例として挙げられている。ほかに、”Fire away.”, “Of course.”, “Go ahead.”などがある。


“...when I was a student in the United Kingdom some of the foreign students had to go home to take part in national service - that’s join the army for a couple of years - so they became militarised.”(僕がイギリスで学生だったとき、外国人の学生の中には2〜3年間ショナル・サービスへ参加するため――つまり、軍隊に加わるために帰国しなければならない人がいたんだ――ということで彼らは武装したんだね)(スクリプトp.4中段、5’24”あたり)
“that is, ...”というフレーズは、難しい言葉や分かりにくい表現を言い換えて「つまり」「すなわち」という意味で使用されることがある。ここでは口語表現として省略形で登場している。


“Got an example of that, Dan?”(ダン、なにか例はある?)(スクリプトp.4上段、5’43”あたり)
"(Have you) got an example of that?"のHave youが省略されている。




4. 発展課題




今回の6 Minute Englishの元ネタとなったと思われる記事を紹介するので読んでみましょう。
タイトル:How Japan has almost eradicated gun crime(日本はいかにして銃犯罪を撲滅してきたか)
URL: http://www.bbc.com/news/magazine-38365729

japanese police.jpg

日本の銃の取り締まりはどれほど厳しいのか。規制のルーツはどこまでさかのぼるのか。さらには、日本人の銃に対する考え方についても、警察の実態や銃の講習会でのエピソードを交えて紹介されています。

銃による死者の各国比較では意外な事実も発覚?!

そして最後には、彼ら(外国人)が大好きなヤクザ(yakuza)にもしっかり触れられています。



BBCの記事は比較的平易な文章で、the guardianなどのような新聞記事とは異なり極端に難しい単語は使われていないので読みやすいと思います。

記事の途中で挿入されている2分半程度のビデオクリップも是非見て下さい。字幕やスクリプトはありませんが、記事の内容とリンクしているので記事を読んでから見ると初心者でも理解度が深まりやすいはずです。

日本に関連する話題だとバックグラウンドを持っている分だけリスニングもしやすいことを体感しましょう。



☆さらに一歩前へ
この記事はBBCのラジオ番組「My Perfect Country」の第10回目(全14回)で取り扱われた内容をもとに作成されたものです。余力があれば、30分程度のこの番組もポッドキャストで聞いてみましょう。(ただし、番組の冒頭にリスナーへの告知などの前振りがあり、本編が始まるのは1’40”くらいからなのでご注意下さい)
タイトル:My Perfect Country - Japan: Gun Control
URL: http://www.bbc.co.uk/programmes/p04ms0dw



今日はここまでです。いかがでしたか。

いつものアドバイスですが、BBCのサイトで公開されている音声ファイルをダウンロードして何度も繰り返し聞き直し、自分でも声に出して発音してみることが大切です。

Practice makes perfect!(習うより慣れろ)

お役に立てれば幸いです。



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質問・感想・コメントをお聞かせください。どんな些細なことでも構いません。必ず読んで参考にします。

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posted by 薗田真澄 at 18:39| Comment(0) | 6 Minute English | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年02月20日

6 Minute English(2017年2月16日分)- リスニングのポイント


前回から始めた、BBCの英語学者向けプログラム 6 Minute English の解説を今後も定期的に配信していきたいと思います。

早速ですが、今回取り上げるのは、2017年2月16日付けのタイトル「How romance ruined love」です。
※著作権の関係上、音声とスクリプトは下記のBBCのサイトから入手してください。
http://www.bbc.co.uk/learningenglish/english/features/6-minute-english/ep-170216


テーマは2月14日のSt. Valentine’s dayにちなんで「ロマンチックな恋愛」でした。ヨーロッパのロマン主義は18世紀末に流行し始めたそうですが、それが現代の恋物語にも影響を及ぼすことになります。そして、恋人やパートナーに対する理想と現実の間で折り合いをつけることの難しさについて、プレゼンターのNeilとDanが語り合っています。

それでは、頑張っていきましょう! Let's try!!




■目次
1. 聞き取りが難しい個所はココだ!
2. 文法・構文解説
3. フレーズ解説
4. 発展課題




1. 聞き取りが難しい個所はココだ!




“A lot of what we believe about love today - for example, the idea that two people will live happily ever after - comes from the romantic period.” (今日愛について信じていること――例えば、この後いつまでも2人が幸せに暮らすといった発想――の多くが、ロマン主義の時代から来ている。)(p.2中段、1’40”あたり)
下線部のwhatは”t”の音が脱落して「アロットヴウォウィビーリヴ・・・」と聞こえる。「A lot ofの後は必ず名詞なのでwe believeと続くならwhatでほぼ決まり」と反射的に英語脳の思考回路が反応すれば、この部分はスムーズに頭に入ってくる。自分でも口に出してまねて、英語脳にパターン化して蓄積しておこう。


“Well, to put it bluntly, yes.” (えっと、ざっくばらんに言うと、そういうことだね。)(スクリプトp.2下段、2’13”あたり)
「トゥ プット イット ブラントリー」ではなく「トゥプティッブラントリィ」と聞こえる。後で説明するように、put it bluntlyで一つの決まったフレーズなので一つ一つの単語を聞き取るというよりもひとまとまりでリズムに乗って聞くとすんなりと頭にインプットされる。


I wonder if that’s true for everyone’s relationships.” (それはあらゆる人の関係にあてはまるのかな)(スクリプトp.3上段、3’03”あたり)
「アイ ワンダー イフ」ではなく「アイワライフ・・・」と聞こえる。ifの発音が比較的はっきり聞こえて、その後にthat’s true for ...と続くので「...にあてはまるかどうか」という趣旨であることが分かり、ifの前がI wonderだと推測がつく。


“Well, I think there’s a focus on personal freedom. There’s environmental concern, ...” (そうだね、個人の自由への注目というのがあると思うよ。環境に関する関心もそうだし・・・)(スクリプトp.4中段、4’26”あたり)
「現代の時代精神と言えば何があるか」というNeilの問いかけに対してDanが答える場面。「Aもあるし、Bもある・・・」という感じでthere’s ...が2回使われているが、最初のthere’sはI thinkの後に超高速でゼアズと発音されている。それに対して、2つ目のthere’sは文頭から勢いをつけるためにはっきりとゼアズと発音されている。2つの違いに気をつけて聞き比べて自分でも真似してみるとよい。




2. 文法・構文解説




スクリプトの読解でつまずきそうな文法や構文をピックアップ!


@fewの代名詞的用法
“But very few show us how to keep that someone special over a long period of time.”(でもほとんどの恋物語は、長期間にわたってその特別な誰かと続けていく方法を教えてくれない)(スクリプトp.3上段)
ここでのvery fewは主語で「very few (of many popular love stories)」というように前出の言葉の繰り返しを避けるために省略されている。また、ここではvery fewの前に不定冠詞aがついていないので、「ほとんど〜ない」という否定的な意味になる。


Anot as ... as it should be, 文章全体を受ける関係代名詞which
“... if the relationship you are in isn’t as perfect as the story said it should be, then maybe you’re with the wrong person, which could explain why so many marriages end in divorce.”(あなたの関係が、物語で読んだのと同じ様には完璧ではないならば、おそらくあなたは間違った人と一緒にいるということになり、それで何故そんなに多くの結婚が離婚に終わるかということの説明がつく。)(スクリプトp.3上段)
if節の中の構文が複雑で、一度聞いただけで理解することが難しい。カッコを使って分かりやすくするとこんな感じ。

the relationship [you are in] isn’t as perfect as [the (love) story said] it (=the relationship) should be.

比較級の例文でよく出てくる以下の文章と似た構造。
She is not as pretty as she used to be.

なお、whichは直前の文章の内容全体(すなわち、物語のような完璧な関係が築けないのは、一緒にいる相手が間違っているということなのだという理屈)を指している。


Bthat節内の補語が疑問詞
What would you say the zeitgeist is these days, Dan?”(ダン、現代の時代精神は何だと思う?)(スクリプトp.4中段)
You would say (that) the zeitgeist is [ ] these days. のカッコの部分を尋ねる疑問文。なお、正しい語順は”What would you say is the zeitgeist these days”か?

wouldは仮定法。「誰かに聞かれたとしたら君は何と答える?」くらいのニュアンス。What do you say ...よりも遠回しな表現になる。


C仮定法過去
“If you were looking for a new house, Neil, what would your benchmark be?”(Neil, 君が新しい家を探しているとしたら、判断基準は何?)(スクリプトp.4中段)
実際にはNeilは今新しい家を探していないので、仮定法過去が使用されている。

仮定法は学校で習う定番の文法表現の一つですが、ナマの英語でこれほどまでにドンピシャで出てくるとちょっとうれしくなります!




3. フレーズ解説




実際の場面で使えるとちょっとうれしくなるフレーズを4つピックアップしました。


Cheer up Dan, cheer up. It’s not your fault.”(元気出して、Dan。君のせいじゃないよ)(スクリプトp.1中段)
相手が落ち込んでいるときや、悲しんでいるときに相手を励ますために使う言葉。こういう言葉がスムーズに出るようにしておきたい。ただし、これは決まり文句なのでその後に続く言葉を状況に即して選ぶことが肝心。


“Well... yes. What’s your point?”(え、そうだけど、どういうこと?)(スクリプトp.2上段)
相手の話が要領を得なかったり、話の要点が伝わってこない場合に、「要するにどういうことか」と相手に尋ねる場合に使う。


“Well, to put it bluntly, yes”(えっと、ざっくばらんに言うと、そういうことだね。)(スクリプトp.2下段)
to put it ...にはいろいろなバリエーションがある。
e.g. to put it another way 別の言い方をすれば
   to put it simply 簡単に言うと


You haven’t learnt anything!”(君は何も分かっていないな!)(スクリプトp.3下段)
Julietにフラれて落ち込んでいるDanに、ロマンスなど所詮熱しやすく冷めやすいものだと諭すNeil。にもかかわらず、Danは懲りずに「次の彼女こそ完璧な人だ」と鼻息を荒くする。そこで半ばあきれ顔のNeilが放ったセリフ。




4. 発展課題




現代の結婚観について少し掘り下げて調べてみましょう。
インターネットで検索すると結婚観をテーマにした様々な意識調査の紹介記事にたどり着くことができます。これらをもとに自分の考えをまとめ、誰かに聞かれたときに無理なく自然にアウトプットできるようにしておくのもよいでしょう。


今の若者が考える理想のプロポーズは?

結婚後のライフスタイルの主流は?

日本人と欧米人に考え方の違いはあるか?


いろいろと興味は尽きませんね。参考になりそうな興味深い記事をいくつか挙げておきます。


<参考URL>
☆イギリスの結婚情報サイト「Hitched」のアンケート結果
Our 2016 Wedding Survey Results Are In: What Makes a 21st Century Bride?
http://www.hitched.co.uk/wedding-planning/organising-and-planning/wedding-survey-2016_1193.htm

☆アメリカのシンクタンクPew Research Centerの記事
5 facts on love and marriage in America
http://www.pewresearch.org/fact-tank/2017/02/13/5-facts-about-love-and-marriage/
For young adults, the ideal marriage meets reality
http://www.pewresearch.org/fact-tank/2013/07/10/for-young-adults-the-ideal-marriage-meets-reality/

☆楽天ウェディングの調査結果
既婚者に聞いた「理想の条件と現実に落差はある?」
https://wedding.rakuten.co.jp/marryme/article108?l-id=Marryme_Contents_06



今日はここまでです。いかがでしたか。

BBCのサイトで公開されている音声ファイルをダウンロードして何度も繰り返し聞き直し、自分でも声に出して発音してみることが大切です。

Just Do It!! - 行動あるのみ!!

お役に立てれば幸いです。



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posted by 薗田真澄 at 19:03| Comment(0) | 6 Minute English | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年02月17日

6 Minute English(2017年2月9日分) - リスニングのポイント



Learning.jpg


前回は6 Minute English(6ミニッツイングリッシュ)の紹介とおすすめの学習法について説明しました。

まだ見てない人はこちらから
↓↓↓
前回記事:6 Minute English - BBCの英語学習者向けプログラム


今回は6 Minute Englishで実際に取り上げられた話題(2017年2月9日付「Can you trust your own eye?」)に沿って、みなさんが独習するうえで参考になりそうな解説をします!
※著作権の関係上、音声とスクリプトは下記のBBCのサイトから入手してください。
http://www.bbc.co.uk/learningenglish/english/features/6-minute-english/ep-170209



それでは、始めま〜す! Let's try!!



■目次

1. 聞き取りが難しい個所はココだ!
2. 文法・構文解説
3. フレーズ解説
4. 発展課題



1. 聞き取りが難しい個所はココだ!




6 Minute Englishの音声スピードは決して速い訳ではありませんが、音の聞こえ方の問題でどうしても「むむ・・」と引っかかる場所が4か所くらいありました。


From all those TV dramas you’ve watched you’ll be familiar with ...”(p.2中段、1’46”あたり)
「フロム オール ゾーズ・・・」ではなく「フォモーゾーズ・・・」と聞こえる。インタビューの冒頭部分なので、出だしから意味をとらえきれずにつまずく可能性あり。
さらに、意味的にはwatchedのあとで一息ついてもいいはずなのに、間髪入れずにyou’ll...以降が続いてくる。
この部分は、文章の意味を完全に理解した上で何回も聞き直し、是非とも実際に口に出して真似してマスターしたいですね。


“Eyewitness accounts can sound very convincing in court ...”(p.3上段、3’22”あたり)
イギリス英語のためcanが「キャン」ではなく「カン」と発音されることがある。このためcan soundがなぜか「コンサーン(concern)」と聞き間違えてしまう。


Are there any ways to improve accuracy?”(p.3下段、4’34”あたり)
「アー ゼア」が「アザー(other)」と聞こえる。ここでは幸いにも文章が短くシンプルなので、最後まで聞いた時点で文脈から推測すれば意味が理解できるかも。


“… you didn’t give anything away when you asked what was different about your appearance at the beginning of the show.”(p.4上段、4’50”あたり)
what was の部分がほとんど発音されていない。これは、

you didn’t give anything away when you asked [ ] different about your appearance at the beginning of the show.
文法的に正しくなるように[ ]内を埋めなさい.

という問題と同じようなもの。


おそらくネイティヴスピーカーは音を聞き取っているのではなく、パターン認識で反射的に自分で言葉を補充して理解しているものと思われる(居酒屋などの騒がしい場所で人の話を聞くのを想像すると分かりやすいかも)。

したがって、音が脱落している部分の聞き取りにこだわりすぎない方が良い。つまり、聞き取りでは上記の穴埋め問題を解く必要はないということ。「何かが省略されているな」くらいの気持ちで構え、文章全体の意味を理解することに集中したい。




2. 文法・構文解説




文法や構文を説明し始めたらキリがありませんが、スクリプトの読解でつまずきそうなものをピックアップしました。


@前置詞を伴った疑問詞
In what part of the brain is there an area dedicated to remembering faces?”(脳のどこの部分に顔を覚えることに特化した領域がありますか)
*疑問文と言うと、我々はwhatとwhenとかを思い浮かべるので、Inで始まる疑問文だと面を食らってしまうが、これは慣れの問題。


A仮定法現在 might, couldの用法
“When police officers talk to the witness of a crime, they might also introduce new information. And this could change the witness’s memory of what happened.”(警察官が犯罪目撃者と話すときに、(いつもそうだとは言わないが)新たな情報を与えてしまうかもしれない。そして、このことによって事件についての目撃者の記憶が変わる場合がある(変わらない場合もあるが)。
*mightはcouldはmayやcanの過去形だが、これらを使うことで断定的な言い方を避け柔らかい表現にしている。


B強調構文の否定
“... it isn’t only police questioning that can distort memory.”(記憶をゆがめるのは警察の尋問だけではない)
It is ... that 〜(〜なのでは...である。)という形のいわゆる強調構文。


CIt 構文
“I think it’s sort of natural for people to want to believe that memory can be accurate.”(記憶とは正確たりうるものだと人が思いたいのは、ある意味当然のことだと私は思う)
it はto以下のto want to believe that …を指す。wantの主語に相当する部分がfor 以下に示されおり、ここではpeople。




3. フレーズ解説




スクリプトの会話の雰囲気を楽しんだり、ニュアンスを理解したりするためには、やはりフレーズを知ることが大切です。気に入ったものは自分でも是非使ってみてください!


Honestly, Neil.”
honestlyのおもな意味は「正直に、まじめに」であるが、相手の様子にあきれたり、イライラしたりしている時に「もう勘弁してよ」的な気持ちを表す場合にも使う。
ここでも、あきれた口調で(マジ?/本気で言ってるの?)くらいの感じ。


“If an officer touches something without gloves on, they introduce new information.”(もし職員が手袋をはめずに何かを触ったら、新しい情報を持ち込んでいる。)
“on”が加わることによって、単に手袋を持っているだけでなく、それをはめている(身につけている)という意味が加わる。


“I don’t know how I missed that. Because actually you do look, well, completely different with glasses.”(どうして気づかなかったのだろう。だって、本当に君は・・・おやっ、メガネで完全に雰囲気が変わったね。)
Neilが大ボケをかましたセリフ。オーバー界のNeilのリアクションの様子や間の取り方は実際の音声で聞いて感じてください。なお、ここでの”do”は”look”を強調する助動詞。


“You were indeed.”(そのとおりよ)
Was I right?(合ってた?)というNeilの質問に対して、You were (right) indeed.(本当に合ってたよ)と答えている。




4. 発展課題




今回の2つ目の挿入インタビューで登場する「Innocence Project in New York」について調べてみよう!
URL: http://guiltypleaproblem.org/

課題@
どんな単語が頻出するか調べてみましょう。
e.g. crime, commit, forensic, plead guilty, exonerate, etc...

課題A
イノセント・プロジェクトのサイト内に過去の事例が多数紹介されています(字幕付きのビデオもあり)。その1つを取り上げ、事件の概要について誰かに簡単に説明するつもりで1分程度の短い原稿を考えてみましょう。

課題B
日本に同様の機関はあるでしょうか。日本で起こった有名な冤罪事件は?
[参考資料]
http://mainichi.jp/articles/20160201/k00/00e/040/173000c 「2016年2月1日付毎日新聞」
http://www.ipjapan.org/ 「えん罪救済センター」


今日はここまでです。いかがでしたか。

今、世の中は情報であふれていますが、一つの話題についてじっくりと理解を深めるのも大切ですよ。

お役に立てれば幸いです。



P.S.1
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P.S.2
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