今回の6 Minute EnglishのタイトルはThe rise of the emoji(絵文字の隆盛)です。
※著作権の関係上、音声とスクリプトは下記のBBCのサイトから入手してください。
http://www.bbc.co.uk/learningenglish/english/features/6-minute-english/ep-170323
いまやemoji(絵文字)はsushiやmangaなどと同じように英語界でメジャーとなった単語の一つのようです。一方、日本で発明されたこの便利な表記に似たものの中に顔文字というものがありますが、こちらはかなり古くから使われていたらしいです。これらはどうして広く世界的に使われるようになったのでしょうか。今回の6 Minute Englishは、いつもの通り2人のプレゼンターの小芝居をBGMにしながらこの謎にせまります。
それではLet’s try!
■目次
1. 聞き取りが難しい/注意したい個所はココだ!
2. 文法・構文解説
3. フレーズ解説
4. 発展課題
1. 聞き取りが難しい/注意したい個所はココだ!
“You know, I think we should clear one thing up before we go any further: what’s the difference between an emoticon and an emoji?”(ところで、先に進む前に一つはっきりさせた方がいいと思うんだけど。顔文字と絵文字の違いって何?)
(出典元:3/23付 BBC 6 Minute English 0’40”あたり)
clear ... upは「〜を片付ける、解決する、明らかにする」(出典元:3/23付 BBC 6 Minute English 0’40”あたり)
発音は「クリア ワン スィング アップ ビフォー」とクリアではなく、「クリアワンスィンガッビフォー」となっている。upが前後の単語に埋もれがちに発音すると早くしゃべれることに注意しながら真似してみる。
“It could be a simple, yellow, smiley face; or something like a dancing lady; or even a bowl of noodles…”(それはシンプルな黄色のスマイリーだったり、踊っている女性のようなものだったり、あるいは、ラーメンの丼だったり…)
(出典元:3/23付 BBC 6 Minute English 1’11”あたり)
ニールとダンの2人が顔文字と絵文字の違いについて説明しているところで、ダンが絵文字の例を列挙している。このセリフのように列挙の一つ一つがやや長い場合は、独特のイントネーションとなるのでダンがどのような言い方をしているか確認しておこう。(出典元:3/23付 BBC 6 Minute English 1’11”あたり)
“Well, in fact, a witty speech Abraham Lincoln reprinted in a newspaper as far back as 1862 included a semi colon with a close brackets.”(あのさ、実はさかのぼること1862年の新聞にアブラハム・リンカーンの機知に富んだ演説が再掲載された時には、セミコロン+カッコ(閉じる)が使われていたんだ;))
(出典元:3/23付 BBC 6 Minute English 3’50”あたり)
不定冠詞のaをゆっくり、または、強調して話す時は、「ア」ではなく「エイ」という発音になることをご存知だろうか?知らなかった人、自信がない人は音声を確認しておこう。(出典元:3/23付 BBC 6 Minute English 3’50”あたり)
“A typo is a mistake in a written document, or a digital file or message.”(タイポは文書や、デジタルファイルまたはメッセージの書き間違いのことです。)
(出典元:3/23付 BBC 6 Minute English 5’47”あたり)
「デジタル ファイル オア メッセージ」ではなく「ディジタル ファイローメッセージ」となる。(出典元:3/23付 BBC 6 Minute English 5’47”あたり)
2. 文法・構文解説
@仮定法過去
“If I followed it with a sad face emoji, then…?”(もし僕がその後に悲しい顔の絵文字を続けたとしたら…?)
"Then I guess I’d know you hurt yourself. Poor you."(ケガをしたんだと分かるだろうね、おそらく。かわいそうに)
(出典元:3/23付 BBC 6 Minute English 3’06”あたり)
仮定法過去の条件節を使って疑問を投げかけ、文章の続きを回答として求めるという対話形式。似たような表現でWhat if ...というのがある。"Then I guess I’d know you hurt yourself. Poor you."(ケガをしたんだと分かるだろうね、おそらく。かわいそうに)
(出典元:3/23付 BBC 6 Minute English 3’06”あたり)
e.g. What if I continued to smoke at the same pace as before?(もし僕がこれまでと同じペースでタバコを吸い続けたら...?)
A付帯状況のwith
“But if I followed it with a laughing emoji – the one with the tears coming out because I’m laughing so much?”(でももし僕が笑っている絵文字を続けたらーすごく笑ったから涙が出てるあの絵文字をね)
(出典元:3/23付 BBC 6 Minute English 3’12”あたり)
下線部分はいわゆる「付帯状況のwith」と呼ばれる。すなわち、(出典元:3/23付 BBC 6 Minute English 3’12”あたり)
with + 名詞 + 副詞(句), 形容詞, 現在分詞, 過去分詞
という形で「〜を...の状態で」という意味になる。
e.g. He spoke with a pen in his mouth.(彼は口にペンをくわえて話をした)
Please don't leave the room with the door open.(ドアを開けたまま部屋を出ないでください)
She came over to me with her eyes shinning.(彼女は目を輝かせて私のところへ来た)
He was standing with his arms crossed.(彼は腕組みをして立っていた)
B関係副詞how
“We could also talk about how the way children interact with the internet.”(僕たちは、子供たちがどのようにインターネットと関わり合うかについて話すこともできるね。)
(出典元:3/23付 BBC 6 Minute English 4’52”あたり)
下線部は語順的にはthe way howの方がしっくり来るのだが、いずれにしてもhowまたはtha wayのどちらかは必要ないようだ(どちらを削除しても意味は変わらない)。(出典元:3/23付 BBC 6 Minute English 4’52”あたり)
Cget ... across
“When I first travelled to Poland, I used a lot of non-verbal communication to get my message across.”(初めてポーランドに旅行した時、メッセージを伝えるために言葉以外の伝達手段をたくさん使ったな)
(出典元:3/23付 BBC 6 Minute English 5’01”あたり)
下線部は直訳的に「メッセージを渡る」と理解してしまうと意味不明である。get ... acrossで「〜を理解させる、伝達させる」というイディオムがある。...の部分にはmessageのほかにidea, meaningなどが入ることがある。(出典元:3/23付 BBC 6 Minute English 5’01”あたり)
e.g. My brother is not very good at getting his ideas across.(私の弟は自分の考えを伝えるのがあまり得意ではない)
3. フレーズ解説
"Good point.”(いい点をついているね)
(出典元:3/23付 BBC 6 Minute English 0’48”あたり)
このフレーズは相手の質問や疑問が核心を突いている場合、鋭い指摘の場合、さらに転じて、答えにくい場合の前置きとして使用される。Good question.とも。(出典元:3/23付 BBC 6 Minute English 0’48”あたり)
“A smiley face. Something you use in way too many of your emails!”(スマイリー・フェイスさ。メールですっげぇいっぱい使うやつ)
(出典元:3/23付 BBC 6 Minute English 1’00”あたり)
wayには名詞以外に副詞があり、very far「はるかに」という意味で前置詞や副詞を修飾する。(出典元:3/23付 BBC 6 Minute English 1’00”あたり)
e.g. She finished the race way ahead of the other swimmers.(彼女は他の競泳選手よりはるかに前方でゴールした)
way tooとするとtooを強めて「あまりに〜過ぎる」という意味になる。
e.g. This rope is way too short.(このロープはあまりに短かすぎる)
この表現は後半にもう一度出てくる。
“Way too much!”(もうたくさんだよ!)
(出典元:3/23付 BBC 6 Minute English 4’56”あたり)
(出典元:3/23付 BBC 6 Minute English 4’56”あたり)
“Increasingly, what we’re finding is that digital communication is taking over from certain aspects of face-to-face interaction.”(ますます私たちが目の当たりにしていることは、デジタル通信が対面式の交流のある側面に取って代わっているということである)
(出典元:3/23付 BBC 6 Minute English 1’35”あたり)
Increasinglyは「ますます」という意味である。したがって、必然的に時制は現在進行形や過去進行形となることが多いことを覚えておこう。(出典元:3/23付 BBC 6 Minute English 1’35”あたり)
e.g. It is becoming increasingly clear that this problem will not be solved in a couple of days.(この問題は2〜3日では解決できないということがますます明らかになっている)
“In the UK today, for example, adults spend 22 hours online on average each week.”(例えば現在の英国では、大人は毎週平均22時間をインターネットに費やしている)
(出典元:3/23付 BBC 6 Minute English 1’41”あたり)
この前の文章で「デジタル通信が対面式の交流のある側面に取って代わっている」ことの根拠について英国の統計的数値を例に使って説明している。このような場合、下線部分を一息に言って「これから英国を例にとって説明しますよ」というサインを送るのである。この独特の言い方を是非真似してみよう。あなたが日本のことを例に出して何かを説明したい時にこの表現が使えるかもしれない。(出典元:3/23付 BBC 6 Minute English 1’41”あたり)
“One of the reasons emojis are so interesting is that they really do enable us to express our emotional selves much more effectively.”(絵文字がとても興味深い理由の一つは、かなり効果的に自分の感情を表現することができるということである)
(出典元:3/23付 BBC 6 Minute English 1’48”あたり)
One of the reasons (...) is that ...は理由を説明する時に使われる。ヴァリエーションとして、次のようなものがある。(出典元:3/23付 BBC 6 Minute English 1’48”あたり)
One of the reasons for this is that ...(この理由の一つは...)
One of the reasons behind this is that ...(この理由の一つは...)
"That's not what I saw in your eyes!”(それは君の瞳の中に見えなかったな!)
(出典元:3/23付 BBC 6 Minute English 4’41”あたり)
That is what I ...やThat is not what I ...は強調の一種。使い方の例として、相手が自分の言いたいことをだいたい言い当ててくれた場合は、次のように言ってみよう。(出典元:3/23付 BBC 6 Minute English 4’41”あたり)
e.g. That's what I mean.(そういうことです)
That's what I wanted to say.(それが私の言いたかったことです)
この構文は少し後でもう一度出てくる。
“That's what I thought until I broke my leg – after a clumsy opponent ran into me…”(それは脚を折るまではそう考えていたけどねーぶきっちょな相手チームの選手が僕に突っ込んでからは…)
(出典元:3/23付 BBC 6 Minute English 5’34”あたり)
(出典元:3/23付 BBC 6 Minute English 5’34”あたり)
“Nicely done.”(お見事)
(出典元:3/23付 BBC 6 Minute English 4’45”あたり)
よく使われる表現であるWell done.と同じような意味である。知らなかった人は覚えてたまには違う表現も使ってみよう。(出典元:3/23付 BBC 6 Minute English 4’45”あたり)
4. 発展課題
今回のテーマはemoji(絵文字)。その名が示す通り、絵文字は日本で発明されたものなのだろうという予測がつきますが、6 Minite Englishではそのことについては触れられていません 😭
そこで、今回の6 Minute Englishの元ネタと思われるBBCのラジオ番組を聞いてみましょう。9分30秒くらいから絵文字の起源に関する説明が簡単に行われています。
★BBCラジオ番組
Emoji: The Future of Language?(2017年2月27日 BBC Word of mouth)
この番組では、6 Minute Englishでもインタビューが挿入されている英国の言語学者Vyv Evans(ヴィヴ・エヴァンス)氏がゲストに招かれ、「絵文字は言語の一種として考えることができるか」や「絵文字を子供たちにどのように教えていくべきか」などといった問題について、学者らしい視点から様々な統計や過去のエピソードを交えて一般人向けに分かり易く説明されています。
例えば、6 Minute Englishでも取り上げられた@emoticon(顔文字)の歴史(13分15秒くらい〜)、A「不思議の国のアリス(Alice in Wonderland)」の全ストーリーを絵文字に置き換えられた話(16分20秒くらい〜)、B各国の絵文字の使用傾向に関する統計(17分55秒くらい〜)、Cアップル社が銃の絵文字をリボルバー型の拳銃から水鉄砲に変更した話(21分50秒くらい〜)等々。
番組全体のボリュームは30分程度なので、 イギリスに留学を目指している人や英語で教養のある話を聞いてみたい人は、どのくらい聞き取れるか是非チャレンジしてください。
さらに、上記のAとCのトピックについてさらに掘り下げて調べてみましょう。
A「不思議の国のアリス」を絵文字に翻訳
★著作物の概要と作者インタビュー
Author Translates All of 'Alice in Wonderland' into Emojis(2015年1月3日付 Creators)(990 Words)
絵文字で読む『不思議の国のアリス』(2015年8月5日付 VISUAL THINKING)
Cアップル社が銃などの絵文字を変更
★ニュースの内容
Apple replaces the pistol emoji with a water gun(2016年8月2日付 CNN Money)(384 Words)
ピストルの絵文字、水鉄砲に変更 アップル(2016年8月2日付 CNN.co.jp)
★どんな事件が背景になっているか
Brooklyn Teen Arrested for Emoji-Laden Threats Against NYPD(2015年1月23日付 New York Magzine)(230 Words)
★エヴァンス氏の解説
Can emojis really be used to make terror threats?(2015年2月2日付 the Gardian)(782 Words)
今回は以上です。
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