ロンドンの街を歩いていると、イギリスの大手銀行バークレイズ(Barclays)のロゴが入った自転車が並ぶ、こんな風景を目にします。
これは貸自転車のドッキング・ステーションで、1時間以内に返却すれば1ポンド(約195円:投稿時現在)で借りることができます。
ロンドンの街は東京ほど大きくないので、市内を移動するには自転車は便利な交通手段です。チューブ(地下鉄)やバスを利用すると最低でも2ポンド(約390円:同上)はかかるのでコスト面でもリーズナブルです。
この貸自転車サービスは、現ロンドン市長のボリス・ジョンソン(Boris Johnson)によって導入されたため、通称「ボリス・バイク(Boris bike)」と呼ばれています。同市長はMy 自転車で毎日通勤するほどの自転車愛好家で、サイクリングに関しては強い関心やこだわりを持っているようです。
「Mayor’s vision for cycling in London(市長が考えるロンドン・サイクリングの展望)」の前書き(4頁目)の冒頭では、自転車がいかにコストや労力をかけずに様々な問題を解決するかを顔写真付きで熱く語っています。
こうした市長の熱い思いのもと、ロンドンでは現在1万台以上の「ボリス・バイク」が市内を往来しています。ウィキペディア情報によれば、この「ボリス・バイク」は、先だって2007年からパリで運用されていた「ヴェリブ」と呼ばれる同様のサービスを参考にして開発されたそうです。ちなみに、「ヴェリブ」はこんな感じです。言われてみれば似ていますね。
借りた自転車は、どこのドッキング・ステーションに返却してもOKです。ただし、場所によってはすべての自転車が貸し出されていて競争率も激しいようです。
ところで、乗り終えた後の返却場所はすぐに見つかるのでしょうか。大丈夫です。ロンドン市のホームページによれば、市内に700カ所以上のドッキング・ステーションが存在し、300〜500メートルおきに見つかるそうです。もちろんウェブサイドで検索可能。
私はロンドンに1年半暮らしていましたが、残念ながら一度もボリス・バイクを使う機会がありませんでした。当時の友人から聞いた話によれば、普通のママチャリに見えるこの自転車はギアチェンジ機能を備えた「すぐれもの」で、また、使用料の支払いはクレジットカードで決済できると言っていました。
その一方で、イギリスの新聞記事などを読んでいると、この「ボリス・バイク」が巻き込まれた交通事故を報じるニュースを時おり目にし、その都度「ボリス・バイク」の是非・有り方が問われています。
例えばこんな感じです:
http://www.standard.co.uk/news/london/mayor-boris-johnson-warns-london-cyclists-against-taking-risky-decisions-after-fifth-rider-death-in-nine-days-8938505.html
(先日紹介したEvening Standardからの記事です。馴染みやすい内容で、比較的平易な英語で書かれていますので、英文を読み慣れていない人も是非挑戦してみて下さい)
便利な自転車も使い方次第では危険と隣り合わせ、というのは万国共通ですね。
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