子供は「なるほど」という顔をして解説を聞いていましたが、そのうちに親の方が得意になり、ついでに「実」の字を用いた四字熟語を教えてあげようと考えました。そこで、思いついた言葉が「質実剛健」でした。
しかし、いざ、この四字熟語の意味を簡潔に説明しようとすると、なかなかうまく表現できません。思わず、手元にあったスマホを片手に意味を検索する羽目になってしまいました。ちなみに、「質実剛健」を辞書で引くと:
「中身が充実して飾り気がなく、心身ともに強くたくましいさま」(新明解四字熟語辞典)
だそうです。
四字熟語というのは便利なもので、ある特定の状況や様子を簡潔に伝えるためにぴったりの表現です(逆に言えば、使い方を間違えると頓珍漢(トンチンカン)なやり取りになってしまう訳ですが)。私たちは、この四字熟語というものに対して、いちいちその意味を暗記しているのではなく、それが典型的に使用されるコンテクスト(文脈)の中で記憶しているのではないかと思います。
例えば、前出の「質実剛健」の例で言えば、私なら日本の侍を真っ先に思い浮かべます。そして、私が侍に対して持っているイメージ=無口だが志をしっかりと持ちそれを貫く人=すなわち、「質実剛健」となる訳です。
同様に、「傍若無人」と言えば、私なら電車の中で堂々としゃがみこむ若者を思い浮かべますし、「風光明媚」なら若い頃に見た旅先での素晴らしい景色を想像します。
このように言葉には、辞書で調べると説明されているような文字通りの「意味」だけでなく、その言葉が使われる(または、使われ易い)コンテクストがあるのだと分かります。
このことは、あなたの英会話の上達にとって大切なものを教えてくれます。つまり、英単語や決まった英語表現を覚えるのに、単に言葉の意味を暗記するだけでなく、それが使われそうな、または、過去に実際に使われた場面を想像しながら覚えて行くのです。
例えば、私は、英語の会議で何か提案して相手に動いてもらおうとする時は決まって"Why don't you 〜"という表現を使います。
Why don't you send us an email which will describe the detail for our better understanding?
(私たちがもっと理解できるように詳しい説明をメールで送ってもらえますか?)
私の中では、ある特定の状況の中でこの表現を使用するということが定着しているので、いろいろと考えなくても自動的に口をついて出てくるようになっています。そして、その時点ですでに”Why don’t you 〜”以降の「〜」の部分に何を入れるか考えているのです。
同じように、次の話題に移るときは、
Let's move on to the next topic / agenda …
(次の話題/議題に移りましょう。・・・)
何かを依頼して了承する時は、
OK. I'll do that. …
(分かりました・やっておきます。・・・)
このように、あなたが英会話にテンポよく乗るためのスキルの一つとして、コンテクストごとのお決まりのフレーズをあなたのアイテムの中に持っておく、というのがあることが分かるはずです。
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