本当にそうでしょうか。
ロンドンで留学生として生活した私に言わせれば、
「それほど単純な話ではない」
という答えになります。
普通に考えれば、英語圏の海外で暮らせば必然的に英語に触れる機会が多くなります。街を歩けば目に入ってくるものはほとんど英語だし、お店ではいやでも英語でやり取りをしなければなりません。家に帰ってテレビをつければ英語の嵐です。インターネットだけは違いますが・・・
私が経験した場合のように学生寮で暮らせば、canteen(食堂)で外国人の仲間と話すケースも増えます。人によっては「タダで英会話を練習できる絶好のチャンス」と思うかもしれません。
ところが、あなたの「練習台」である相手は、お金を払って話し相手になってもらう先生ではありません。あなたの話を我慢して聞くインセンティブがお金でないとしたら何でしょうか?
特別な関係(例えば恋愛関係やビジネス上の取引関係など)でもない限り、おそらく相手はあなたとの会話から何か面白い(有益な)情報は得られないかな、と思っているのでしょう。
その証拠に、あなたが日本人だと分かれば、相手は
「アサクサってどんな所?」
「満員電車に乗客を押し込む係員がいるって本当?」
「デスノート面白いよね。ところで、日本人はマンガをどれくらい読むの?」
「トヨタのプリウスは環境に優しいね」
などと、興味津々で日本にまつわる話を振ってくるでしょう。
そこで、あなたが中途半端な受け答えをしたり、「実はあんまりよく知りません」みたいな反応をしたりしたら、どうなるでしょうか?相手はがっかりして「コイツとはこれ以上話す価値がない」と思うかもしれません。
逆に、どんなにあなたの話す英文法が滅茶苦茶で、発音が聞き取りづらくても、相手が関心を持って聞いた話に的確に答えようとすれば、相手は一生懸命あなたの話を聞こうとするに違いありません。そうしてさらなる会話のチャンスが生まれる訳です。
つまり、何らかのギヴ・アンド・テイクの関係が存在しないと会話は成立しないのです。
留学時代の私の友人の中に、知り合った当初はお世辞にも英語が上手だとは言えない人がいました。いちいち日本語から英語に変換して話すので非常にスローペースだし、発音も典型的なジャパニーズ・イングリッシュ。しかし、少年時代から彼がマンガをこよなく愛し、半ば「オタク化」していたお陰で、当時ナルトを愛読していた年下のインド人学生と意気投合しました。それ以降、彼は「センパイ、センパイ」と呼ばれて慕われ、行動を共にするようになったのです。その後、彼の英語力がメキメキと上達したことは言うまでもありません。
英会話の練習となると、文法や発音のマスターばかりに目が行ってしまいがちですが、こうした大事なポイントを見落としてはいけません。
幸いにも多くの外国人は日本人に対して好印象を持っており我々に対して勝手にいろいろと興味を抱いてくれます。その意味で、日本人であるというだけでラッキーであり、スタートラインでアドバンテージがあると言えます。それを有効に活用するためにも、自国の文化や特徴をよく理解して、英会話の機会へとつなげられるようにしましょう。
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