2015年06月10日

ギヴ・アンド・テイク

「英会話を上達させるには海外に住むのが一番手っ取り早い」

本当にそうでしょうか。

ロンドンで留学生として生活した私に言わせれば、
「それほど単純な話ではない」
という答えになります。

普通に考えれば、英語圏の海外で暮らせば必然的に英語に触れる機会が多くなります。街を歩けば目に入ってくるものはほとんど英語だし、お店ではいやでも英語でやり取りをしなければなりません。家に帰ってテレビをつければ英語の嵐です。インターネットだけは違いますが・・・

私が経験した場合のように学生寮で暮らせば、canteen(食堂)で外国人の仲間と話すケースも増えます。人によっては「タダで英会話を練習できる絶好のチャンス」と思うかもしれません。

ところが、あなたの「練習台」である相手は、お金を払って話し相手になってもらう先生ではありません。あなたの話を我慢して聞くインセンティブがお金でないとしたら何でしょうか?

特別な関係(例えば恋愛関係やビジネス上の取引関係など)でもない限り、おそらく相手はあなたとの会話から何か面白い(有益な)情報は得られないかな、と思っているのでしょう。

その証拠に、あなたが日本人だと分かれば、相手は
「アサクサってどんな所?」
「満員電車に乗客を押し込む係員がいるって本当?」
「デスノート面白いよね。ところで、日本人はマンガをどれくらい読むの?」
「トヨタのプリウスは環境に優しいね」
などと、興味津々で日本にまつわる話を振ってくるでしょう。

そこで、あなたが中途半端な受け答えをしたり、「実はあんまりよく知りません」みたいな反応をしたりしたら、どうなるでしょうか?相手はがっかりして「コイツとはこれ以上話す価値がない」と思うかもしれません。

逆に、どんなにあなたの話す英文法が滅茶苦茶で、発音が聞き取りづらくても、相手が関心を持って聞いた話に的確に答えようとすれば、相手は一生懸命あなたの話を聞こうとするに違いありません。そうしてさらなる会話のチャンスが生まれる訳です。

つまり、何らかのギヴ・アンド・テイクの関係が存在しないと会話は成立しないのです。

留学時代の私の友人の中に、知り合った当初はお世辞にも英語が上手だとは言えない人がいました。いちいち日本語から英語に変換して話すので非常にスローペースだし、発音も典型的なジャパニーズ・イングリッシュ。しかし、少年時代から彼がマンガをこよなく愛し、半ば「オタク化」していたお陰で、当時ナルトを愛読していた年下のインド人学生と意気投合しました。それ以降、彼は「センパイ、センパイ」と呼ばれて慕われ、行動を共にするようになったのです。その後、彼の英語力がメキメキと上達したことは言うまでもありません。

英会話の練習となると、文法や発音のマスターばかりに目が行ってしまいがちですが、こうした大事なポイントを見落としてはいけません。

幸いにも多くの外国人は日本人に対して好印象を持っており我々に対して勝手にいろいろと興味を抱いてくれます。その意味で、日本人であるというだけでラッキーであり、スタートラインでアドバンテージがあると言えます。それを有効に活用するためにも、自国の文化や特徴をよく理解して、英会話の機会へとつなげられるようにしましょう。



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ラベル:英語 英会話
posted by 薗田真澄 at 16:29| Comment(0) | 英会話術 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年05月13日

背伸びをしない

あなたがもし誰かにメールを送ってほしいとき、英語で何と言いますか?
いろいろ表現の仕方があると思いますが、私が真っ先に思いつくのは次の2つです。

1. Please send me an email.
2. Could you send me an email?

あなたは、この2つの文章のニュアンスの違いが分かりますか。

1. Eメールを送ってください。
2. Eメールを送っていただけますか。

1が直接的な言い方であるのに対し、2では仮定法のcouldが使われることによって「もし可能であれば」とか「もし差支えなければ」というニュアンスが加わり、より遠回しで丁寧な表現になります。英語には日本語のような尊敬語や謙遜語はほとんど存在しませんが、表現方法を使い分けることによって相手に与える印象やニュアンスを変えることはもちろんできます。

しかし、この話を聞いていきなり途方に暮れる必要はありません。まずは、あなたが外国語として英語を使用する時にこうしたニュアンスの違いにまで気を配る必要があるかどうか、今一度考えてみてください。

プライベートでの外国人との交流、海外留学、そして、ビジネスシーンも含めて、大抵の場合は必要ないはずです。
※ただし、あなたの言葉遣いがビジネスの取引に影響する場合(例えば、ショップの店員として外国人のお客さんに対応する場合など)は注意が必要です。

どうしてでしょうか。

それは、相手があなたのことを「母国語でない言葉を話す人」と捉えているからです。

逆の立場を考えればもっと分かり易いかもしれません。例えば、あなたが街を歩いている途中で、知らない日本人から
「東京タワーはどこにあるの?」
と突然タメ口で聞かれたら、答える前にむっとしますよね。

でも、外国人の観光客から
「トウキョータワー ハ ドコニ アルノ?」
と聞かれたらどうですか。
タメ口かどうかはさておき(笑)、相手が何を聞きたがっているかに注意を傾けますよね。

このように、ネイティブスピーカーは、外国人と話す場合に一定の寛容さをもって接する傾向があるのです。ですから、英会話の初・中級者はこれに甘えて(?)ニュアンスの伝わり方など無視すればいいのです。むしろ、伝えたいことがきちんと相手に伝わっていることの方が大事です。

上記の例で言えば、「誰かにものを頼む場合は必ずCould you〜で始める」くらいに決め打っておいた方がいいかもしれません。そうすれば、そこで迷いが生じないお陰で英会話にテンポよく対応することができるかも知れないのですから。

その意味では、初・中級者のうちは、小慣れた表現は極力使用せずに、平易な表現を愚直なまでに使い続ける方がベターかもしれません。そうすることで相手がそれに応じた目線で対応してくれることが期待できるはずです。背伸びをせず、身の丈に合った言い回しを使うことによって、相手へ「私は英会話初級(中級)者です」というサインを送りましょう。



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posted by 薗田真澄 at 17:18| Comment(0) | 英会話術 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年04月16日

英語で来客対応をするということ


今日は私の勤務先での話をします。


先日、他部署の社員を通じて面談の申し入れがあり、

来客対応をしました。

相手はイギリス人のコンサルタント2名でした。


彼らは日本語が話せないため、

英語でのやり取りとなった訳ですが、

彼らと会話をしていて、

「これは楽だなぁ〜」

と思いました。


一体どういうことでしょうか?


私たちのオフィスを訪問した

彼らの目的は「営業」でした。

彼らの専門分野に関して

私たちが困っていることがあれば

ぜひ仕事を回してほしい、

ということでした。


自分たちの話を聞いてもらうために彼らは来た

という訳です。


このような状況では、

英語が聞き取りやすくなる条件が揃っています。


1つ目に、

彼らは自分たちの話を理解してもらうために、

比較的ゆっくりはっきりと話をします。


2つ目に、

彼らは自分たちに興味をもってもらうために、

私たちに馴染みのある話題を探しながら

会話を進めようとします。


3つ目に、

こちらの話を辛抱強く理解しようといます。

あなたが適切な言葉を探すのに苦労していたら、

助け船さえ出してくれることがあります。


このように英会話というのは、

あなたの会話能力だけでなく、

話す相手との立場関係によっても

難しさの度合いが変わります。



さらに、会話の内容も自ずと予想できます。


今回の場合、初対面の相手との仕事上の面談ですので、

1. 名刺交換

2. お互いの自己紹介

3. 業務内容の紹介

といったやり取りや話題が中心になるでしょう。



どのような会話が行われるかをイメージすること

とても大事なことです。

会話の内容をイメージすることによって

対応方法をあらかじめ考えておくことができます。


今回の例でいえば、

相手の会社のことを事前にホームページで確認したり、

紹介者から訪問客について情報収集しておく、

といったことです。


そして、

いろいろな情報を集めることができたら、

相手に対してあなたがどんな質問ができるか

考えてみてください。


このときに注意すべきことは、

必ずしも本当に知らないことを質問する必要はない

ということです。


例えば先ほどのケースで、

あなたがインターネットで調べた結果、

相手が東南アジアで業務を拡大している会社であることが

分かったとしましょう。


もしそうだとしても、それでもなお、

Which countries are you mainly involved in?

と聞いても構わないのです。


話題の切り口として

あえて知っていることを尋ねるというのは

英語に限ったことではなく

一般的な会話のテクニックである

といってもよいでしょう。

だから問題ありません。


そして、

この質問の答えはある程度予想ができます。


そうすると、

その相手の回答に対してどんな返しをしようかと

準備することができる訳です。


I see. Then how about XXX?

なるほど。では、○○(国名)はいかがですか?


Have you been to XXX for work?

あなたは○○へご出張されたことがありますか。


We are also doing buisness in XXX.

私たちも○○へ業務展開しています。


といった具合です。


このようにして会話の最初の部分で

自分がキャッチアップできる話題を用いて

リズムをつかむというのは大切なことです。


今回のようなシチュエーションでは

相手との立場関係を利用することにより

それが実行しやすいはずです。


ビジネスシーンだけではありません、

留学、旅行、プライベートなトーク・・・

なんでも同じことが当てはまります。


学生は基本的に学校に対して学費を払っています。

(イギリスでは海外からの留学生に対し、

先生はみな温かい手を差し伸べてくれました。)


旅先のホテルでは、あなたは「お客様」です。、

(まあ、これは場所にもよりますが・・・)



一つの実績を作るとそれが自信につながり

また次も頑張ろう」ということになる。

いわゆるモチベーションというやつですね。


いかがですか。

ちょっとしたひと手間で

結果が大きく変わると思いませんか?


そう思ったら早速実践してみてください。



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posted by 薗田真澄 at 00:18| Comment(0) | 英会話術 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする